webmasterの猫

Vivere

出会ったのは一番町。
夜中にバイトを終え店へ残業に帰ってくるというのが日課だった。

野良の子猫たちは6匹くらいの兄弟で母の後ろをじたばた走っていた。 人にすりよってくることは少なかった。 野性味あふれる野良たちだった。

何度かフライドチキンをやってると、深夜に白一色の母と2匹の子猫が一緒に私の帰りを待ってるようになった。 兄弟のほとんどは車にはねられ死んでいった。 残ってるのはすばしっこいやつだ。 一匹はぶちで愛想がよくて友達になれそうだった。 もう一匹は三毛の臆病なやつで、餌は食べるがいつまでたっても私を警戒していた。

餌をもらっているとき、いつも母は子供たちの後ろのほうで心配そうに様子を伺っていた。

愛想のいい子猫はすぐにいなくなった。 死んだというよりだれかに拾われたような気がした。そう思うことにした。 父であろうハンサムでスタイルのいい白黒の猫は喧嘩に負けてから姿を消した。

臆病だけどすばしっこい三毛一匹とその母が残った。 週に2度くらい深夜に出会えた。 フライドチキンを待っていた。 あるとき三毛は深夜のビルの真っ暗な階段を登ってきて2階にある店の玄関の前でにゃーとないた。 臆病な性格にしては大胆。 餌につられて油断した三毛はとうとう私に捕獲されてしまった。 飼いならせるかどうか不安なまま家に連れて返ることにした。

ひとりぼっちになった母はそのうち車にはねられて死んでしまった。 店の前の道路をなぜか何気なく見ているときときだった。 母の最後を私が見届けた。 川に流してあげた。

たったひとりの生き残り。

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