機が熟す時、
名刀「たかまさ」が人を選ぶのだ。
人がそれを選ぶのではない。

やはりな、というかなんというか、classic conclusion です。

たかまさ 三部作
Episode I 『英文構成法』
Episode II 『和文英訳の修行』
Episode III 『英文解釈考』

中学1年生で『たかまさ 三部作』に出会っていれば東大に行けるだろうと思う。 英語に関して、わたしにはそういう幸運、天使の導きはなかった。 これでもかこれでもかというくらい、中学高校 6年間、ろくでもない学校選定参考書と英語教師ばかりだった。 英語教師というのは基本的にひねくれ者で性格が悪い人種なんだと思った。 いまでもその思いは払拭されてはいない。 情報のない者にとって、自分に与えられた参考書がいかなるものかということに気づくチャンスはなかった。 英語がダメなのは自分がダメだからだと謙虚に思っていた。

辞書に関しては優れたものが多いので、どれを選んでも間違いはないと思うが、参考書に関して、そうは問屋が卸さない。 わたしは英和辞書に関して、三省堂コンサイス英和しか持っていない。それで困ったことはない。 デイリーコンサイスで貫いてきて平気な人もいる。 デイリーコンサイスで貫いてしまえる人こそ、英語力のセンスのある人、天性の英語力の持ち主なんだろうなと思う。 英英辞書は LDOCE と OALD を使ってきた。LDOCE でわかりにくいときは OALD をひいてみる。その逆もある。

学校が良くなかったのだろう、義務教育+大学教養課程の英語で英語力はつかなかった。 わたしの場合は、英文解釈に限定されるが、英語力は独学で身につけた。 転機になったのは『大学入試RIC式英文速読速解法』だった。この本との出会いがブレイクスルーになった。 英会話力に関しては、ネイティブの恋人ができるとかイギリスかアメリカに2週間でもいれば身につくとわかっていたので、あえて放置していた。

爾、英文学の呪縛から解かれよ。

やはりというか、多読が効果的だった。 多読メソッドの問題点は、多読に使うテキストがくだらない内容のものばかりで、読むに値しないような本ばかりでは読む気がしなくて続けられずに挫折してしまうことにあった。 解決策を思いつくのに時間がかかった。解決策は単純だ。読むに価する本で多読することだ。 多読用のテキストを読むのではなく、読みたいテキストを多読するということだ。 つまり「その本に書いてあることを知りたくてしかたがない、しかしその本は英語で書かれており、翻訳は出ていないから、原書を読むしかない」という状況に身を置き続けるということだ。わたしの場合、具体的には、興味のある飛行機の操縦マニュアルをがしがし読んだことが効果的だった。マニュアルというものは内容を理解させることを最優先に書かれているから、専門用語は多いが、英文学者や小説家が使いたがる衒学的な小難しい単語や文体とはまったく無縁の平明で分かりやすい文章であり、しかもその内容について読者は興味津々でいられ続けるということが宿命づけられていて、多読にとても向いているのだ。

ヒアリングのブレイクスルーになったのは「脳は自分の発音できない音を言語として認識できない」という事実に気づいたことだった。いわゆるシャドーイング・メソッドのことである。

グラマーでは、ケンブリッジの Grammer in Use にもう少し早く出会いたかった。 感動のあまり A Student's Introduction to English Grammar まで買ってしまうほどだった。 この世には「読んで感動する英文法書」があるということを知った。

ライティングでは The Elements of Style との出会いがとても早かった。その出会いは自分がプログラマでもあるおかげなのである。 そう、The Elements of Programming Style を買った時が The Elements of Style のことも知る時になるのだった。 薄い本ではあるが、英作文参考書のエッセンスの結晶のような古典である。

つづく。

topic: book
first posted: 2018-08-19 02:49:49
last modified: 2018-08-19 23:00:22