X-Plane 10 で The Miracle on the Hudson をシミュレートする

NTSB (The National Transportation Safety Board) の調査ぶりにスポットをあてた人間ドラマであって、スカイパニック映画ではないのでご注意ですが、監督と主演からどんな映画になるかは言わずもがな。あくまでも原題は「サリー機長」です。

NTSB といえば航空機事故現場にいつもいるあの人達、そしてもちろん、US エアウェイズのパイロットたちのプロフェッショナルぶりを描いている渋くてカッコイイ大人の映画。

映画 「ハドソン川の奇跡」公式サイト

http://wwws.warnerbros.co.jp/hudson-kiseki/

トレーラー 90秒

「これほど低い高度で」ってのは 2800 ft です。

バードストライクで両エンジン停止。マニュアルにしたがってエンジン再始動を試みつつ、降下しつつ直進しつつ、次の行動を判断するのに要した時間が 15 秒。時間の進み方は一定ではなく、実際に伸び縮みするというのが最近の物理学の定説ですが、この 15 秒は現実にその場での時間としては、とても長かったと思います。そして、エンジン再始動失敗に無駄な時間食っちゃったから 180度ターンはもうムリ、前方で一番近い空港は遠すぎる、ということでハドソン川に不時着水しよかという決断がなされます。着水するあたりは船着き場があってフェリーなどがうようよいるからすぐ救助してもらえることを期待もできたでしょう。

それまでの人生すべてが凝縮された 15 秒。

問題は、エンジン再始動失敗後に 180度ターンして KLGA (New York La Guardia) へ戻れたかどうかということです。再始動せずにそのまますぐ 180度ターンすればたしかにラガーディア空港に帰れたでしょう。つまり最善策をとらなかったのではないかという嫌疑がかかるわけで、もし最善策をとっていれば、損害額は最小にできた可能性があったかなかったか。そこを NTSB は淡々と調査するでしょう。プロの大人の仕事ですから。で、他のパイロットなども動員して、いろいろシミュレーションもやってみて、やっぱりあそこで180度ターンはムリだったろな〜という結論で NTSB の調査は終了したわけですね。 たぶん。

このシミュレーションをわたしたち X-Plane パートナーズもやってみることができます。

FAA certified な X-Plane ならではの話です。まず、まったく同じ型式の飛行機 Airbus A320-214 (CFM powered) を用意すること。その飛行機のフライトモデルがデザイナーのデタラメではなくてちゃんとリアルエアバスパイロットに監修してもらっていること。

推奨は Peter Hager's Airbus A320-214 CFM Engine です。

Peter's Aircraft
http://www.petersaircraft.com/

そして、乗員乗客の重さ(155人)と、 離陸時に燃料はどれだけ入れてたか( KLGA ニューヨーク・ラガーディア空港 発、 KCLT シャーロット・ダグラス国際空港経由、 KSEA シアトル・タコマ国際空港行 )、 ということ。 ちなみに KSEA は X-Plane 10 のホームですね。X-Plane 9 時代は LOWI がホームでした。

乗客は jettisonable load で water を積んで表現できます。人間はほとんど水ですし。 80kg x 155 = 12400 kg (27333 lb) あたりで。でもこれは Plane-Maker をいじるスキルが必要なので、 ふつうの方法としては X-Plane 10 menu bar / Aircraft / Weight and Fuel / Payload Weight ここに 27333 lb あたりにセットします。 X-Plane の Airliner はなにもせずに飛ばすと「燃料半分で乗客無しのエアショー用デモ飛行コンフィギュレーション」で飛んでることになります。スカスカです。そんな状態で滑空のシミュレーションをしても意味がありません。ちなみに最近のエアショーでエアバスが派手にデモンストレーションしてますが、客室空っぽで燃料が必要最低限だけの旅客機ってけっこうはげしいマニューバリングができるんですよね。大きさのわりに軽いし、軽いわりに強力なエンジンを積んでますから。強度がないので大きな G のマニューバリングはできませんというだけで。G さえ注意しておけばけっこうはげしいことがいろいろできますね。宙返りもやろうと思えばできます。しませんが。一回やると構造的寿命が激しく縮むので壊れはしないですよ。しませんが。
ファーンボロー・エアショー 2016 のエアバス https://www.youtube.com/watch?v=45Ikg3v7I38

燃料搭載量はフライトプランがわかっているので、計算できる。シャーロットで給油するのかどうかが問題。 ディスパッチャーに聞いてみるか、X-Plane.org フォーラムで質問してみれば、かなり正確にわかるでしょう。 そのへんのことは NTSB の調査報告書に書いてありそう。NTSB のサイトで調査報告書は閲覧できるはず。エマージェンシーの場合、燃料投棄ボタンを押せば、自動で最大着陸重量になるまで燃料投棄 (automatic jettison fuel) すると思うんですが。いろいろ要調査。

USエアウェイズ1549便不時着水事故 - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/USエアウェイズ1549便不時着水事故

The Miracle on the Hudson - US Airways Flight 1549 - Scenario Based Lessons - X-Plane.Org Forum

http://forums.x-plane.org/index.php?/forums/topic/94579-the-miracle-on-the-hudson-us-airways-flight-1549/

Flight 1549 3D Reconstruction, Hudson River Ditching Jan 15, 2009 - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=tE_5eiYn0D0

topic: plane
first posted: 2016-09-28 14:39:16
last modified: 2016-09-28 20:02:03