なんらかの飛行機を操縦した経験(フライトシミュレーターでもかまわない)のある者たちにとって、 最大の謎は 「機長は垂直尾翼がほとんど失われている事を察知していたのかどうか」 ということでしょうか。 もし垂直尾翼がほとんどないことに気付いていれば羽田へ戻る決断などしなかったのではないか。 最新の飛行機なら垂直尾翼にカメラが付いているので、垂直尾翼がなくなればすぐわかります。 あの当時、垂直尾翼無しの状態をフライトシミュレーターで訓練した事はあったのかどうか。 JAL にそんなシミュレーターがあったかどうか。 そんな訓練はなかったとして、 ダッチロールが激しい(あまりにもケツが振れる)ので垂直尾翼がないかも? とか思ったのかどうか。 垂直尾翼が無い状態でギアを降ろしたりフラップを下げたりするとどうなるか充分に理解していたかどうか。 そういうことが知りたい。 羽田へ帰れると思ったという事が最大の判断ミスではないのか。 海への不時着をデシジョンし、着水予想地点を自衛隊に報告し救助を要請してから、 できるだけまっすぐ緩やかに時間を稼ぎつつ下降していればどうだったか。 近くには自衛隊の基地がいくつもある。 真夏だったから寒さで死ぬという事はなかったろう。 生存者がたった4人という事はなかったのではないか。

とにかく、あとからではなんとでも言えるのだけれども。 垂直尾翼のオールロストを機長は判断できていたのかできていなかったのか、その検証が最大の問題であると思うのです。

旅客機くらいの大きな胴体なら、胴体自体が垂直安定板の働きをするのですが、 旅客機の主翼にはドラッグラダーくらいつけておけばと思うのです。尾翼が全部吹き飛ぶ事も想定に入れて主翼を作ることが良い設計の旅客機と言えます。最悪でも全翼機として飛べるくらいの設計にはしておけと思うのです。しかし 747 の事故は油圧もオールロストですから、エレクトリックのバックアップがない設計の飛行機では、ほんとにもうどうしようもない。操作はエンジンの推力制御だけしか残されていない。あそこが逝ったら油圧がオールロストするようなアキレス腱のある設計をしている 747 がそもそも脆弱性のある飛行機といわれてもしかたがない。旅客機の事故史上で教訓的な価値のナンバーワンは BOAC のコメットでしょうけど、ナンバーツーは JAL 123 の 747 だと思うのです。

topic: plane
first posted: 2015-07-12 20:53:05
last modified: 2015-08-20 00:04:42