第2楽章アダージョでの問題です。 ハース Haas と ノーヴァク Novak の相違点でもっとも顕著なところで、ほとんどの演奏は ハース・ノーヴァク折衷なのです。ノーヴァクの場合は「括弧で書き込まれたテンポ指定」をどう採用するかも問題になります。 ハースだとティンパニシンバルトライアングルはありません。無いのが初稿 (version 1) です。愚弟の意見などにつつかれ、後からティンパニシンバルトライアングルをブルックナーは追加しました。それが改訂稿 (version 2) です。原典版 (original version) という場合、version 1 と version 2 のどちらを original とするかが問題になるわけです。 いわゆる「原典」(オリジナル original) という場合は、指揮者やら弟子やらが改ざんした改訂版ではなく、ブルックナーの自筆譜のことを意味します。なので、自筆譜のバージョンまでは想定していないわけです。つまり原典版と言うだけでは自筆譜のバージョンはわからないということです。 とにかくブルックナーをベートーヴェンぽくしたい当時の愚かな指揮者や弟子どもは勝手に自筆譜を改ざんしました。ばっさり省略をしたり、勝手に編曲したり、ティンパニやシンバルを入れたがりました。こうした改ざんを「悪行」として排除して行こうというのがハースさんでありノーヴァクさんでありコールズさんの仕事です。

topic: classic
first posted: 2015-02-03 18:12:08
last modified: 2015-02-03 20:29:27