永川豆豉 エイセントウチ。
郫県豆瓣 ピーシェンドウバン。
漢源花椒 カンゲンホアジャオ。

「本場四川式麻婆豆腐」の指定銘柄。 四川産豆豉と四川産豆板醤と四川産花椒がないと四川式にならない。 ちなみに日本産豆板醤はそれなりにおいしいけどやはり本当の豆板醤ではない。 四川にこだわらなければ、豆板醤を使わなくても、日本産の御膳味噌でかまわない。 それはそれでおいしい麻婆豆腐になる。

ここで買ってます。 http://www.sannmei.co.jp/

大事なのはレシピよりプロセス。 それぞれの動作に意味がある。 タイミング、鍋のゆすり方、お玉の使い方、火の入れ方。

この実演で使ってるコンロが欲しい。この場に居たら「そのコンロどこで売ってますか」って聞くかもしれない。 そうすっと陳さんが「えー? コンロぉ? そっちに興味があんのぉ? いやーコンロの実演販売に来たんじゃないんだけどなぁ〜(笑)」ってなりそう。

つぎのビデオは陳建太郎さんの手際がよくわかります。 四川飯店の業務用プロセスのようなので、家庭における最善のプロセスとはずいぶん異なりますね。 肉そぼろの作り置きがポイントのひとつ。 お店によって味が違うというクレームに対応していく方向に舵を切ったそうなので、 肉そぼろを作り置きするようになったのか、そのへんがつっこみどころなんですが。 私ならそこつっこみます。 このビデオには肝心な肉そぼろを作るプロセスが無いわけですから、初心者向けのビデオ教材には使えない。 あくまでも上級者が見たとき参考になるという感じ。 ようするに麻婆豆腐は延々デグラッセしているわけです。 デグラッセなんだから「煮るんじゃない焼くんだ」という表現にもなるわけです。 延々デグラッセだから普通のフライパンでは無理な話にもなるわけで、やはり丸底の中華鍋が必須ということになるわけです。 道具の意味を理解していない人の料理は上達しないでしょう。 道具にはちゃんと存在理由があるんですよね。 料理の構造的にはカレーとまったく同じ。 「オイルにスパイスの香りを移す」「絶妙に炒めてからスープでデグラッセしてちょっと煮込む」という構造はカレーとまったく同じ。いわゆる「炒め煮」です。だからデグラッセのプロセスが命です。味の決め手はマオタン(毛湯)です。マオタンが家庭では無理なのよね。 カレーと同じで「この作り方しかないという作り方はない」ということ。

箴言「麻婆豆腐はしっかり焼く料理」

関連事項: 麻婆豆腐の豆腐問題。先に茹でておくかどうか。焼くのか煮るのか。スープの先か後か。豆腐とは主材料なのか副材料なのか。主役は豆腐なのか、肉そぼろなのか。豆腐料理なのか。肉そぼろはただのルーなのか。豆腐はただの具なのか。これらのことからさまざまなバリエーションが生まれる。元祖陳婆さんレシピでは「豆腐の角切りではなく、豆花」であるし「ミンチではなく、牛肉のざく切り」ということ。信頼できるミンチが入手困難なら牛肉を包丁でざく切りにしたものを使ってぜんぜんオッケー。たとえば宗教上の理由で「豚アウト、化学調味料アウト、片栗粉アウト」なら牛肉をざく切りにすればいいし、化学調味料無添加のコンソメを使えばいいし、デグラッセをしっかりすればコーチェン(水溶き片栗粉で閉じること)を省ける。

いわゆる中華はコーチェンしすぎ、化学調味料使いすぎ。鶏がらスープで化学調味料無添加のものはユウキが入手しやすいのですが塩がきつすぎて使いにくい。せっかく塩分の少ないまろやかでコクのある四川豆板醤にこだわっていることが台無しです。スープは化学調味料無添加のコンソメやブイヨンやフォン・ド・ボーで代用できます。家庭では毛湯から作れない代わりにブイヨンの選択にこだわりたい。

陳建民式は豆腐を水切りしないし先茹でもしない。豆腐は先茹でしなければならないと狭く思い込んではいけない。 油と肉とスパイス(ミソ)を炒めた後に豆腐を投入する。つまり豆腐に焼きを入れる。豆腐から出る水をデグラッセに使う方法。 豆腐の形が少々崩れるのは問題にしない。元祖陳婆式の豆花の流れを汲む豆腐の扱いというわけ。

中華鍋は北京型でも四川型でもどっちでもいいんですけれども、大きさだけは 33cm がいいですよね。 30cm は小さくて使いにくいって思うようになりますから。コンロは家庭のふつうのもので充分です。 肝心なことは中華鍋を使うこと、つまり鍋の形状であって、業務用の火力がプロの味の秘密ではないんです。 家庭用コンロの火力で充分です。 中華鍋は丸底なのでフライパンより火の回りがよいから、なおさら家庭用コンロの火力で充分です。 中華鍋には業務用中華コンロが必要と思い込みがちですか。

数多い陳建一さんの本から一冊だけ買うなら PHP 研究所の「中華のおかず」ですね。網羅的で図鑑的な編集が秀逸です。詳しいにもかかわらず、わかりやすくまとまっています。家庭料理だからって読者を甘やかすことなく、ちゃんとした情報とノウハウを略さず漏れなく書いてあります。そういう意味で料理初心者には向いていません。料理の素養がある人向けです。

topic: food
first posted: 2014-11-09 11:18:10
last modified: 2014-11-14 22:06:24