力学的にいって、ボールは叩けば叩くほど、速度は出ないし、飛ばない。

ボールはラケットで叩くものではなく、ラケットでぶん投げるもの。

「ボールをガットにのせてからボール3個分フォロースルー」と言うのは、ようするに「ボールをラケットで掴んで投げろ」と言ってるのと同じこと。

そのへんの力学が理解できていない初心者がまずまちがいなく勘違いすること。それはボールを叩いて飛ばそうとすること。上級者はボールを叩いていない。上級者はスイングスピードが速いから、叩いているようにみえるだけ。それで初心者は叩くものだと誤解する。

最初の最初にコーチがちゃんと教えない。間違った「パチンとやる感覚」をまず覚えてしまい、その勘違いのうえにあれこれ積み上げていってしまう。そもそも間違っている「パチン」をいかに「具合よくパチン」とやるかという袋小路で彷徨うことになる。これが初級者が中級者になれないパターン。

メーカーが時間をかけて研究して完成させているラケットに、鉛をあちこち張ってみてバランスを崩してダメなラケットにしてみたり、グリップを本革に変えてみたり、ナチュラルガットを張ってみたり、重たい振動止めを付けてみたり、「いかに具合よくパチンとやるか」という勘違い系のなかでの試行錯誤に陥る。これが第一の罠。

メーカーも商売なので「間違ったパチンとやる感覚」の癖がついた人々が喜ぶようなラケットを作ってしまう。そんなラケットが勘違いを増長させる。本物ばかり作ってまったく売れなければ倒産してしまう。メーカーにも矜持はあるので「小手先パチン」では飛ばないジャスティスな設計の「学習用」ラケットはちゃんと作られている。そういうラケットは正しいテニスへ初学者を導いてくれる。そんなラケットは初学者を甘やかしはしない。しかしそんなラケットは正しく打てたときのプレーヤーをきちんと褒めてくれる。プレーヤーはまた褒められたいからきちんと打とうと努力する。

ジャスティスなラケットとはアウトプットがリニアなラケット。よいことをすればしっかり褒め、わるいことをすればちゃんと叱る。それがほんとうのラケットの役目。

http://artrec.homeunix.com/news/classiclog/search?q=美しいクラシックテニス

topic: tennis
first posted: 2012-11-25 12:22:29
last modified: 2012-11-25 16:36:18