Ra-Test 社の測定機でシャフト剛性(しなり具合)を計測した値のこと。 値が大きいほど硬い(しならない)。 実測値がカタログ値より 5 ほど落ちているなら、 寿命がきている(へたっている)と考えられる。 ぱりっと感がなくなり、くたくた感がでてくる。 くたくたになるだけであり、 相応の使い方をする限り、 ラケットは折れるまで使えるという説も在る。 プリンスのラケットがシャフトとグリップの境界あたりでポッキリ折れたのを見た事がある。 まさに根元からぽっきりと。いちどそこまで使い切ってみたい。

柔らかいほど、ベースラインでねばるストローカー向き。 柔らかいと、ベースラインからのエースは狙いにくい。 硬くすると重くなってしまう。 軽くすると柔らかくなってしまう。 「軽くて硬い」というのが理想。 素材品質の向上と生産技術の向上で「軽くて硬い」ラケットが実現してきた。

「重くて柔らかい」というラケットは、 よいスイングを身につけるための学習用、修練用としてありうるが、 試合ではメリットがなく、つらい展開になるだろう。 初心者に軽いラケットを使わせると手打ちの癖がついてしまう。 美しいスイングの習得には、ある程度の重さのラケットが必要である。 硬すぎるのも実力以上のスピードがボールに与えられてしまうので、 美しいスイングを習得しようとする志の高い初心者には有害である。

スイングスピードに応じた適正な Ra-Test 値がある。 スイングの速い人には大きめの Ra-Test 値が向く。 面白い事に、スイングの極めて遅い人にも大きめ Ra-Test 値が向く。 老人用デカ厚ラケットがその例である。

最も硬い: 74
パワフル・アタック向き。

少し柔らかい: 71
パワーを抑え、打球の感触を向上。

普通: 67
コントロール性と機動力を併せ持つ。
オールラウンド・プレーヤー向き。

最も軟らかい: 62
ねばりのあるグラウンド・ストローク。
ベースラインプレーヤー向き
普通よりちょっと硬いドネー・プロ・ワン・リミテッドは 69。
普通よりちょっと柔らかいドネー・プロ・ワンは 65。
軽量級黄金スペック Wilson Coral Wave BLX は 61。
伝説の DONNAY Pro-One Limited
フェイスサイズ: 110 平方インチ
素材: グラファイト 100%
(カーボンファイバー 100%)
(グラスファイバー 0%)
適正テンション: 62-72P
フレーム厚: 18.5mm 均一
Ra-Test値: 69
ウェイト: 320g
バランス: 310mm
ストリング・パターン: 16 MAIN / 19 CROSS
フィラメント・ワインディング・テクノロジー(FWT)
心棒にカーボン繊維を巻き付けてゆくもの。
巻き付けはコンピュータ制御により行われる。
生産性の首尾一貫が計られ品質が安定する。
フレーム強度が向上する。
振動抑制効果が 7% から 15% 高まる。
この製法では繊維の切断が不要なので、
フレームの割れに対する抵抗力が高まる。

形状によっても、しなり具合を設計できる。

ボックス形状: 捩じれにくく、しなりやすい。
ラウンド形状: 捩じれやすく、しなりにくい。
LINEAR-GEOMETRY: 捩じれにくく、しなりにくい。

FRP の素材によっても、しなり具合は狙える。

カーボン 100%: しなりにくい。硬い。
カーボン+グラスファイバー: しなりやすい。柔らかい。
カーボン+ナイロン: ?
カーボン+ケブラー: 引っぱり強度。粘り。紫外線に弱い。
カーボン+ボロンファイバー: 超硬い。
カーボン+チタンファイバー: バネ弾性が強い。剝離破壊しやすい。
カーボン 100% といっても FRP 全体としてカーボンファイバーが何%入っているかはわからない。 FRP の中身がほとんどプラスチックだけであっても、 補強材としてカーボンファイバーだけしか使っていないなら、それはカーボン100% と名乗れる。 カーボンファイバーの量と質に自信のあるメーカーは、プラスチックを透明にして中身を堂々と見せたりする。 HEAD のラジカル・ツアー T2 やYouTek プレスティッジがその例である。 グラスファイバーが入っているからといって粗悪品というわけでもない。 フレックスを下げるためにあえてグラスファイバーを入れることもある。 柔らかいとスピンをかけやすい。 柔らかいと捩じれやすいのでスロートにヨーク(ブリッジ)を渡して、ねじれを減少させる。 その設計のプリンス・グラファイトは基本的に柔らかい。 プリグラが硬いというのは都市伝説。

ラケットのキャラクターは基本的に 64 種類。

1.しなり (大・小)
2.たわみ (大・小)
3.重さ (300gオーバー・アンダー)
4.重心位置 (トップヘビー・トップライト)
5.フェース面積 (大・小)
6.ストリングパターン (疎・密)
2x2x2x2x2x2=64種類。

ストリングあってのラケット

伸縮しにくいポリエステル・ストリングが流行り始めてから、 ラケットはたわみを積極的に利用する設計になってきた。 たわみでくわえ、たわみ戻しでとばす。 素材の進化により可能になってきた設計。 昔は、ナチュラルなストリングの伸縮で飛ばしていたので、 ラケット自体はたわませない設計だった。 主役はストリング。ラケットはあくまでもフレーム(額縁)。 ラケットはストリングにあわせて設計される。

ラケットへのこだわり

ヒンギスはどんなラケットでもすぐに適応し自分のショットを打てる。

topic: tennis
first posted: 2011-09-25 18:20:21
last modified: 2011-10-19 19:31:19