クラシック音楽鑑賞で最大の課題は 「聴いてみたい意思はあるけど、聴いてもさっぱりわからない、 なにがいいのかわからない、なんで涙を流している人がいるのかわからない」 という人はどうしたらいいのかという問題。

ありがちなパターンとして 「予備知識がないからだ」という仮定をしてしまいます。 その仮定がそもそもあれなんですが、その仮定でいくとして、 「楽曲の解説を読めば、わかるようになる」と期待して読んでみる。 しかし作曲の経緯とか歴史の話がわかっただけで、 依然として曲に感動できるようには、ならない。 自転車の仕組みや材質の解説を読んでも、自転車に乗れるようにはならないのと同じです。

クラシック音楽といっては広すぎるので、ロマン主義にしぼります。 それでもまだ広いので、ブルックナーにしぼります。 なぜなら、淘汰され消えるであろう実験的な現代音楽などは別にして、 「わからない」と言われることがもっとも多いであろう作曲家はブルックナーだと思うからです。 で、「ブルックナーがわからない」とはどういう状態なのか。

音楽への姿勢が二つあります。 頭で聴くか、体で聴くか。

「頭で聴く」とは、観測的、分析的、科学的にアプローチすること。中心はあくまで自己。自分が対象に寄っていく感じ。対象と自己がはっきり分離しています。サービスする側とされる側。お店とお客。中途半端に頭でっかちな人はお客様根性から脱却できない。ほんとに頭のいい人は本質を見抜いて自分はなにをすればいいか自分で気づくのでほっといても大丈夫なんですが。

「体で聴く」とは、音楽と自分で何かを共有し、共鳴が発生するような現象を起こさせる感じ。心を開き身を委ねる。中心は、対象でも自己でもなく、空というか間。新たに発生する現象。

「わからない」といっている時点で、頭で聴こうとしているわけです。だから「わからない」と。 むしろ「なにも起こらない」と捉えた方がいい。で、なんで「なにも起こらないのか」と問うてみる。

「イエーツ訳詩集 最後のロマン主義者」の89ページで、詩がわかるということについてのエッセイがあります。クラシック音楽についてもまったくおなじことだと思うので、ブルックナーがぜんぜんわからなくて困っている人は読んでみてください。

(かきかけ)

topic: classic
first posted: 2008-12-02 14:28:32
last modified: 2008-12-11 22:13:50