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火垂るの墓
反戦でもないし、反米でもないし、美しい兄妹愛を描いた訳でもない。
もし「兄の行動に腹が立つばかりでまったく泣けない」という観客がいたら、
その反応こそ妥当で正当なのではないか。
反戦映画として見て、
罪の無い兄妹を死に追いやった戦争の悲惨さに泣く、
というのではあまりにも浅い。
兄は当時の日本、妹は当時の国民の象徴であって、
つまりあの兄妹の関係の構造は当時の日本の縮図であって、
兄の「プライドばかりで追い込まれ合理的な行動がとれないジレンマのどつぼ」こそ、
たんなる悲しみを超え、胸を締め付け、つらいだけの涙をはらはらと誘う。
だからこの作品は普遍的であり結晶化している。
子供が死んだら悲しいに決まっている。
第二次大戦は舞台にすぎない。
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first posted: 2008-07-18 13:31:20
last modified: 2009-06-12 13:15:59
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