B&W CM1 が売れることはオーディオの底上げという意味で大歓迎です。 せめて CM1 程度の音が認知されれば オーディオは楽しいと思える人が増えるでしょう。 ブランドの車やバッグや時計ならいくつ買っても平気な人が、 どうしてスピーカーが1本 5万円というと高いと言うのか。 それはオーディオの世界が知られていないからです。 やはりまずオーディオの世界を認知してもらうこと。 家電量販店で買えるような、まずいシスコンやミニコンを 最初に買ってしまうと、そこですべてが止まってしまう。 あんなものより普通のラジカセがはるかにいい。 入門者には最初にいい思いをさせてあげないといけない。 たとえは悪いですが、ばくちは最初お客さんに勝たせてあげるものです。 よくわかっているハイエンドオーディオメーカーは入門機で絶対手を抜きません。

僕は CM1 のような小口径ウーハーの音が好きではありません。 いい音は出ても音楽が出にくいからです。 音楽はむしろ DM602 のほうがよく出ます。大きめ口径ウーハーのメリットです。 DM602 の重たい 18cmケブラーウーハーをシスコンのアンプにつないでどうのこうの言っている販売員のいるような店なら何も買わずに出ていきましょう。

CM1とはいえ「大型スピーカーと同じような鳴り方」は無理です。 10cmはどうやっても10cmです。 13cmはどうやっても13cmです。 家電量販店での試聴などでは何もわかりません。 CM1は家電量販店の試聴には向きません。かなりアンプを選びます。 家電量販店でかわいそうな扱いを受けていると思うのは DM602 です。 安いという理由で家電量販店に入門用として置かれがちですが、場違いです。 DM602 はむしろオーディオに疲れた大人向け、上級者向けの商品です。 B&W の中で最もブリティッシュサウンドなモデルなのです。 ちゃんとしたオーディオ屋がきちんと製品の個性を説明して丁寧に愛を込めて売るべき商品です。 受け付ける音楽も大人向け、クラシック向け、ボサノバ向け。 ソフトロックもおもしろい。C.C.R.もジャック ジョンソンもいけます。 たっぷり、まったり、たゆたゆした世界がしみじみ心地よい。

小さい口径でもストロークを増やせば低音は出ると言うのは机上での理屈です。 そううまくはいきません。小さすぎるのは大きすぎるのと同じです。 オーディオ評論家にも勘違いしてる人がいます。 ウーハーが前後に動いているのが見えるから、ウーハーががんばって低音を出している、 というのはとんでもない勘違いです。それは空振り状態のウーハーです。 アンプの制御から外れたウーハーが妙な共振を起こして勝手に揺れているだけです。 ウーハーが正しく動いていれば、目で見える程の遅さで前後に動いたりしません。 50ヘルツで正しく前後に動いたらけっこう速いですよ。

小さい口径2発と大きい口径1発の低音にもハッキリとした違いがあります。 小型2発だと量は出るけど、形が崩れ、波が乱れてスピード感がなく、もたっとした低音。 大型1発だと量は出にくいけど、形が正確で、波が揃ってスピード感があり、ふわっとした低音。 ただし口径が大きくなれば、立ち上がりにくく立ち下がりにくく、アンプがしんどくなります。 いいアンプでなければ大口径のメリットが出ません。 音楽の生命感、空気感の表現には、 ふわっとした伸びやかな低音が重要な要素なのです。 量ではなく質です。 ウーハーの大口径というのは、じつは量を得るためではなく質を得るためなのです。 そこでアンプが弱いと、大口径という目的が裏目に出ます。

小口径ウーハーは小音量で低音が出ないということは認識しておいてください。 逆に大口径ウーハーは小音量でも音が痩せず音楽性が豊かです。 だから必然的に CM1 を買った人は大音量再生を余儀なくされます。 大音量にしないと低音が出ないからです。 寝室で静かに聴くなら16cm以上のウーハーが自然です。 だから CM1 はロックの大音量再生向き。

B&Wにはマランツのアンプが純正みたいな話にはなんの根拠もありません。 評論家が記事でそんなこと書いているなら、それはちょうちん記事というものです。 B&W はマランツとは合いません。設計思想がまったく違う。水と油。 ぼわーっとした音。音像がぼけて、音場の奥行きが出ません。 B&W ならではのリアルな空気感が出ないのです。 マランツだったらマランツプロのほうがいい。 マランツとマランツプロはまったく別のアンプです。 どうしても日本製のアンプというなら DENON のほうがいい。 DENON はプレーヤーよりアンプの方がいい。 日本製にこだわらないなら英国製の Arcam でも買ってみるといろいろ勉強になります。 Arcam のようなアンプもなかなかいいもんです。 B&W が音決めのときに KRELL を使っていたという伝説がほんとかどうかは知りません。 昔の英国製 Aura Designs はB&Wのアンプ部門だったので、 リアパネルに B&W ってはっきり書いてあるから、 そう言う意味では Aura Designs は純正といっていいかと思います。 B&W + Aura Designs の音はひとつの指標にはなるでしょう。 マランツとの組み合わせだけで試聴してどうのこうの言ってる評論家ってゆるすぎです。

スピーカーとアンプは一心同体です。 回路的に見ればスピーカーはアンプの一部だということがよくわかります。 一般的には、スピーカーが鳴ってるように勘違いされますが、 スピーカーは鳴ったりしません。 アンプがスピーカーを鳴らせているのです。 スピーカーを使ってアンプが鳴っているのです。

topic: audio
first posted: 2007-07-27 02:05:00
last modified: 2011-02-07 02:47:27